フォルクスワーゲン・グループは第1四半期(1月〜3月)の決算を発表し、売上高が757億ユーロ(約883億米ドル、前年同期比2.5%減)、営業利益は24.6億ユーロ(同14.3%減)となった。税引き前利益は22.4億ユーロ(同28.4%減)、当期純利益は15.6億ユーロ(同28.4%減)と、いずれも前年を下回った。

同社は、米国の関税や中国市場の需要低迷、欧州以外の主要市場の不振が業績悪化の主因と説明。特に中国市場では販売台数が20%減少するなど、同社にとって最大の課題となっている。北米市場も9%の減少を記録し、全体の販売台数は前年同期比で5%減となった。

主力ブランドは38%の利益増を達成も、スポーツラグジュアリー部門は大幅減益

その一方で、主力ブランド(フォルクスワーゲン、シュコダ、セアトなど)で構成される「コア部門」は、コスト削減や価格戦略の改善により、営業利益が15億ユーロ(前年比38%増)と大幅に改善。欧州市場では新車注文が15%増加するなど、欧州での需要回復が明るい兆しとなった。

しかし、高級車部門である「スポーツラグジュアリー部門」(ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、ドゥカティ)は、ポルシェの販売台数が15%減少するなど厳しい状況が続いた。特にポルシェの営業利益は22%減の4.2億ユーロに落ち込み、関税の影響も大きかったとされる。

コスト削減とポートフォリオの見直しを加速

同社は、コスト削減やキャッシュフローの改善に取り組んでいるものの、CFO兼COOのアルノ・アンツリッツ氏は「営業利益率4.3%は依然として低すぎる」と述べ、さらなるコスト削減の必要性を強調。今後数か月で、製品ポートフォリオや技術プラットフォーム、意思決定プロセスの複雑さを排除し、コスト削減を加速させる方針だ。

具体的な施策としては、販売不振の車種やバリエーションの廃止、生産拠点の移転などが検討されている。また、ソフトウェア部門「CARIAD」の損失は縮小傾向にあるものの、依然として赤字が続いており、マカンEVの発売遅延など過去の失敗が影響を及ぼしている。

今後の見通しと課題

フォルクスワーゲンは、新型車の投入や欧州市場の回復を追い風に業績回復を目指す一方、中国市場の回復の遅れや関税の影響、高級車部門の不振など、依然として多くの課題に直面している。アンツリッツ氏は「コスト削減とポートフォリオの最適化が進めば、中期的には業績回復が期待できる」と強調したが、具体的な成果が出るまでは厳しい状況が続く見通しだ。

出典: CarScoops