メルセデスベンツは、新型CクラスEVのステーションワゴンモデルを投入しない方針を発表した。同社の電気自動車「C 400 4Matic」は482馬力を発揮し、WLTP基準で最大473マイルの航続距離を実現する。

一方、BMWはi3ワゴンのティザー画像を公開し、米国市場でM5ツーリングの成功を受けて、次期M3ツーリングの導入に向けた準備を進めている。かつて「ワゴンを買う」と言いながら最終的にSUVを選んだ経験のある人は少なくない。そうした消費者の行動が、長年愛されてきたステーションワゴンの終焉を招いている。

30年にわたる伝統に幕

メルセデスベンツは、新型CクラスEVのステーションワゴンモデルを投入しないことを正式に表明した。これにより、1990年代に190シリーズからCクラスに移行して以来、30年以上にわたり継続されてきたステーションワゴンのラインナップが途絶えることになる。欧州市場では長らく定番であったものの、米国市場では需要が低迷していた。

メルセデスのデザイナー、ロバート・レシュニック氏は英国の自動車専門誌「Autocar」の取材に対し、「デザイナーたちはみなステーションワゴンが好きだと言う。しかし結局、誰も買わない」と語った。同氏は自身の最初の愛車がアルファロメオ156スポーツワゴンであったことを明かし、現在のラインナップで最も優れたモデルは「ほぼ完璧な」Eクラスエステートであると称賛する。それでも、現実の需要は厳しいものとなっている。

米国・中国市場で需要低迷

レシュニック氏によると、米国市場ではCクラスのステーションワゴンが売れず、高級モデルのCLSシューティングブレークも不振に終わった。中国市場ではステーションワゴンの概念自体が浸透していない。欧州市場でも、Eクラスエステートの価格帯は高額であり、購入層が限られているという。

同氏は「ステーションワゴンがあってしかるべきだが、現実は厳しい」と述べつつも、完全に否定することは避けた。しかし、メルセデスベンツは現時点でステーションワゴンモデルの投入を計画していない。代わりに、電気自動車GLC SUVがファミリー向けの荷物運搬を担う見込みだ。

新型CクラスEVのスペックと魅力

新型CクラスEVの先行モデルとなるC 400 4Maticは、2基の電気モーターを搭載し、482馬力(489PS/360kW)を発揮。0-60マイル加速(0-97km/h)は3.9秒を達成する。94kWhのバッテリーにより、WLTP基準で最大473マイル(762km)の航続距離を実現し、10分間の充電で最大202マイル(325km)の回復が可能だ。

インテリアには、オプションの39.1インチMBUXハイブリッドスクリーンや、162個の照明付きパノラマルーフなど、先進的な装備が採用されている。

BMWの動き:M5ツーリング成功でM3ツーリングの米国導入に期待

BMWは、i3ワゴンのティザー画像を公開し、ステーションワゴン市場への関心を示している。特に、米国市場でM5ツーリングが成功を収めたことを受け、次期M3ツーリングの導入に向けた動きが加速している。BMWは、米国市場におけるステーションワゴンの需要回復に期待を寄せている。

一方で、メルセデスベンツの判断は、ステーションワゴン市場の厳しさを象徴している。同社は、新型CクラスEVのステーションワゴンモデルを投入しない方針を堅持しており、今後もSUVへのシフトを進める見込みだ。

出典: CarScoops