カナダ自動車市場に中国EVメーカーの動きが活発化している。テスラが中国製モデル3を再投入する中、BYD、ジーリー、チェリーなど主要メーカーが続々と参入を表明。新たな貿易協定により中国製EVの関税が100%から6.1%に引き下げられたことで、コスト競争力が向上し、各社のカナダ市場への本格進出が加速している。
BYD、2026年までにカナダに20拠点を展開
中国EV最大手のBYDは、2026年までにカナダに20の販売拠点を設置する計画を発表した。地元パートナーと提携して店舗網を構築する方針で、将来的にはカナダ国内に自社工場を建設する可能性も検討していると報じられている。
チェリー、トロントでSUVをテスト販売
チェリーは傘下ブランド「Jaecoo」の電気SUV「E5s」をカナダに持ち込み、一時的なテスト販売を実施。オーストラリアでの販売価格(約37,000米ドル)と同等の価格設定で、カナダ市場への参入を視野に入れた動きと見られる。同社は北京モーターショーに地元ディーラーを20人以上派遣し、中国市場の動向を視察させるなど、本格的な参入準備を進めている。
Zeekr、トロントで幹部採用を開始
ジーリー傘下のプレミアムEVブランド「Zeekr」は、4月にトロントで7つの幹部職を募集開始。販売、法務、マーケティング、アフターサービスなど多岐にわたる部門で人材確保を進めており、ネットワーク開発責任者の採用も計画されている。同社はカナダ市場への本格参入に向け、体制整備を急いでいる。
新関税制度が参入を後押し
中国とカナダの新たな貿易協定により、中国から輸入される49,000台のEVに対する関税が100%から6.1%に引き下げられた。この特恵措置は先着順で割り当てられるため、各社は迅速な行動が求められている。特に最初の6ヶ月間は24,500台分の許可証が発行される見込みで、メーカー間の競争が激化すると予想される。
カナダ市場の今後
テスラの中国製モデル3再投入を皮切りに、中国EVメーカーのカナダ市場参入が加速している。新たな関税制度によりコスト競争力が向上したことで、今後数年間でカナダのEV市場は大きな変化を迎えると見られている。消費者にとっては選択肢が広がる一方で、既存の自動車メーカーとの競争も激化することが予想される。