米司法省は11日、性的虐待事件で有罪判決を受けたジェフリー・エプスタインの関連文書の公開をめぐる混乱について、内部監査を開始した。同省の監察官室が調査を担当し、文書の収集・審査・編集作業の実態を検証する。

この調査は、超党派の議員団によって成立した「エプスタイン文書透明化法」に基づくもの。同法は、ドナルド・トランプ前大統領が「でっち上げ」と批判していたにもかかわらず、議会を通過した。これにより、数百万件に及ぶ政府文書が一般に公開された。

文書公開の遅れと虚偽報告

しかし、文書の公開プロセスは遅れ、不完全な状態で行われた。特に、当時の司法長官パム・ボンディ氏による虚偽発言が問題視されている。ボンディ氏は2025年2月、エプスタインの顧客リストが「机の上にある」と発言したが、数カ月後に同リストは存在しないと撤回。その後、司法省は2025年1月に約300万件の文書を公開したものの、被害者の名前や裸の写真が誤って掲載されるなどのミスが発生した。

重大なミスと責任の所在

公開された文書には、被害者のプライバシーを侵害する裸の写真が含まれていたほか、犯罪の証拠となり得る情報が不必要に編集されるなど、重大なミスが相次いだ。司法省は「技術的・人的ミス」を理由に数千件の文書を撤回したが、個人が無断で裸の写真を公開すれば逮捕されるのに対し、同省のミスには誰も責任を問われていない。

さらに、250万件の文書が未だに非公開のままとなっており、エプスタインの犯罪に関与したとされる人物の情報が隠された状態が続いている。調査の目的は、これらの問題点を明らかにし、文書の完全公開に向けた第一歩となることが期待されるが、監査が司法省内部で行われることから、実効性に疑問が残る。

トランプ政権の監視機能の低下

トランプ前大統領は2期目に20人以上の監察官を解任または降格させ、政府の腐敗を監視する体制を弱体化させてきた。このため、今回の内部調査が実質的な改革につながるかは不透明だ。