欧州市場への参入を目指す日産の新型PHEVピックアップ
日産自動車は、欧州市場におけるピックアップトラックのラインナップ強化に向け、新たな候補車種の導入を検討している。その有力候補が、中国市場で共同開発された「フロンティア プロ」のPHEV(プラグインハイブリッド)モデルだ。1.5Lターボエンジンと電動モーターを組み合わせた402馬力のパワーユニットを搭載し、欧州規格への適合作業が進行中となっている。
ナバラ撤退後の空白を埋める存在に
欧州における日産のピックアップトラックの歴史は、かつて主力モデルだった「ナバラ」の撤退により、一時的に途絶えることとなった。しかし、フロンティア プロPHEVは、その空白を埋める可能性を秘めている。北米で販売される大型の「フロンティア」と比較すると知名度では劣るものの、欧州市場に適した技術とパフォーマンスを備えている。
中国でデビューしたフロンティア プロ
フロンティア プロは、日産と中国の合弁企業である東風汽車との共同開発により誕生したモデルだ。2024年に中国で初公開され、2025年後半には同国の販売網に登場した。当初はグローバルモデルとしての展開が発表されたものの、他市場への導入はまだ実現していない。しかし、欧州市場への参入に向けた検討が進められている。
日産自動車の欧州担当副社長であるジョルディ・ビラ氏は、欧州市場への導入に関して以下のようにコメントしている。
「フロンティア プロPHEVは現在検討中のピックアップトラックです。欧州市場における可能性を秘めた車両だと考えています」
欧州導入に向けた課題
欧州市場への導入を実現するためには、英国の技術センターで欧州規格への適合作業が必要となる。具体的には、欧州の衝突安全基準を満たすことや、PHEVシステムが規制要件をクリアすることが求められる。これらのハードルを乗り越えることで、初めて欧州市場での販売が可能となる。
フロンティア プロPHEVの技術仕様
フロンティア プロPHEVは、1.5Lターボチャージド直列4気筒エンジンと、トランスミッションに統合された電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。最高出力は402馬力、トルクは800Nm(590lb-ft)を発揮する。この性能は、中国市場で人気のBYD「シャーク6」との競合も視野に入れている。
さらに、インテリジェント4WDシステムや電気機械式リアデファレンシャルロックを搭載し、電気自動車モードでの航続距離は135km(84マイル)に達する。また、フロンティア プロは、日産と東風汽車の共同開発モデルである「東風Z9」をベースとしたリバッジモデルであることも特徴だ。欧州市場への導入が実現すれば、中国市場で販売される他の東風日産モデル(例:NX8)も同様の展開が期待される。
欧州市場における今後の展望
フロンティア プロPHEVの欧州導入は、日産にとってピックアップトラック市場の再参入となる。欧州市場では、ピックアップトラックの需要が徐々に高まっており、特に環境性能に優れたPHEVモデルへの関心が高まっている。日産がこの分野で存在感を示すことで、欧州市場における競争力の強化につながる可能性がある。
今後、欧州規格への適合作業が順調に進めば、フロンティア プロPHEVは2026年以降の発売が期待される。欧州市場における日産の新たなピックアップトラックとして、注目を集めそうだ。