自動運転車メーカーは、人間の運転手よりも安全だと消費者に信じ込ませてきた。人間は感情的で注意散漫になりやすいが、機械である自動運転車は正確で予測可能、そして安全性が高いと主張されてきた。

しかし実際には、ニューヨークの交通政策メディア「Streetsblog」が指摘するように、必ずしもそうとは言えない。特に顕著な問題が、自転車レーンへの侵入だ。自動運転車は所有者がプログラムした通りにしか動作せず、その安全性はプログラムの質に依存する。そのため、自転車専用レーンに侵入する事例が増加している。

サンフランシスコで頻発する自転車レーン侵入

ウェイモ(Waymo)は、サンフランシスコで自転車レーンへの侵入を巡り、厳しい追及に直面している。同社の車両は、乗客の乗降のために頻繁に自転車レーンに侵入しており、その様子はSNS上で多数報告されている。

例えば、2か月前にはRedditユーザーが、サンフランシスコの自転車レーンの真ん中に停車したウェイモの写真を投稿した。また、数か月前にはテキサス州オースティンで、自転車専用の肩部分に停車したウェイモが乗客を降ろす様子がサイクリストによって撮影されている。この際、車両は部分的に車道にもはみ出していた。

訴訟に発展した重大事故

昨年6月には、カリフォルニア州の法律事務所「Bay Area Bicycle Law」がウェイモと親会社のアルファベット(Google)を提訴した。訴状によれば、2台のウェイモ車両が同時に自転車レーンに侵入し、女性サイクリストが衝突事故に巻き込まれたという。

原告のジェニファー・ハンケさんは、指定された自転車レーンを走行中にウェイモの乗客が降りるために停車していた車両に妨害され、ドアに衝突された。その後、彼女は別のウェイモ車両に投げ出され、自転車レーンの反対側に停車していた車両に衝突した。

「安全基準が高すぎる」との主張も

サンフランシスコ自転車連盟のクリス・ホワイト代表はStreetsblogに対し、「自動運転車は信号を守り、速度制限を守る点で人間より優れていると言われる。しかし、その安全性はプログラム次第だ」と述べた。「ウェイモは乗降のために頻繁に自転車レーンに侵入しており、これは法令違反であり危険だ。だが同社は、これが顧客の要望であり一般的な慣行だと主張している」と語った。

さらにホワイト代表は、ウェイモが安全団体に対し、「自転車レーンへの配慮は顧客の要望に応えるほど高いハードルではない」と発言していたと暴露した。

ウェイモの沈黙が物語るもの

ウェイモは、ホワイト代表の主張や自転車レーン侵入問題全般についてコメントを求められたが、回答しなかった。同社は安全性をアピールする機会には積極的にコメントする一方で、今回のような批判に対して沈黙を貫いている。この対応が、同社の姿勢を如実に物語っていると指摘されている。

出典: Futurism