ステランティス、ドイツで650人のオペル技術者を削減しEV戦略を中国主導へ
ステランティスは、ドイツのオペルで650人の技術者を削減すると発表し、同時に2028年までに中国のEVメーカーリーアップモーターのアーキテクチャを採用した新型オペルC-SUVを発売する計画を発表した。この動きは、ドイツにおける技術開発の縮小と中国主導のR&Dへのシフトを示す重要な転換点となっている。
リーアップモーターの技術を採用した新型EV
新型オペルC-SUVは、リーアップモーターの最新EVプラットフォームとバッテリー技術を核に開発される。オペルはデザイン、シャシー、ライティング、シート技術に特化し、実質的な開発はドイツと中国の国際チームが担う。リーアップモーターのB10をベースとしたこの新型SUVは、2028年からスペインのサラゴサ工場で生産される予定だ。
生産体制と競争力
サラゴサ工場では、オペル・コルサ、プジョーe-208、ランチアYpsilon、リーアップモーターB10といったモデルが並行生産される。新型C-SUVは、オペルの既存ラインナップ(モッカ、フロンテラ、グランランド)に加わり、欧州で競争の激しいCセグメントSUV市場に参入する。リーアップモーターB10のスペックを参考にすると、全長4,515mmで、フロンテラとグランランドの中間サイズとなる見込みだ。
リーアップモーターB10の実績
リーアップモーターB10は、最高出力215馬力(160kW)の電気モーターを搭載し、56.2kWhと67.1kWhの2種類のバッテリーをラインナップ。航続距離は最大434km(270マイル)で、レンジエクステンダー搭載モデルでは最大900km(559マイル)に達する。イタリアのバルココ・プロービンググラウンドで厳格なテストが実施されており、欧州仕様と中国仕様で若干の違いが生じる可能性がある。
リーアップモーターB10は、ドイツ、フランス、スペインで€29,900(約35,100米ドル)から発売されており、ライバルの Škoda Elroq よりも€4,000(約4,700米ドル)安い価格設定となっている。オペル版の価格はまだ発表されていないが、リーアップモーターの部品を活用することで「欧州顧客にとって手頃な価格」を実現するとオペルは述べている。
ドイツにおける技術者削減の背景
今回の技術者削減は、ドイツのオペル技術開発部門で650人のポジションが廃止されることを示しており、ステランティスのグローバルR&D戦略の再編の一環とみられる。リーアップモーターとの提携強化により、欧州市場におけるコスト効率の高いEV開発が加速される見込みだ。
「新型C-SUVは、ドイツと中国の国際チームによって開発される。リーアップモーターの最新EVアーキテクチャとバッテリー技術を核に、オペルはデザインと主要コンポーネントに特化する」
— フロリアン・ヒュットル(オペルCEO)
欧州EV市場における位置づけ
ステランティスは、リーアップモーターとの提携を通じて、欧州市場で競争力のある価格のEVを提供する戦略を強化している。リーアップモーターB10の実績を基に、オペル版C-SUVも手頃な価格で提供される見込みだ。欧州のCセグメントSUV市場は、価格競争が激化しており、リーアップモーターの技術を活用したオペルの新型モデルは、同セグメントでの存在感を高めることが期待される。