ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は2024年の第1四半期に、127億ドル(約1.9兆円)の巨額赤字を計上した。同社はビットコイン価格の下落により、保有資産の公正価値会計に基づく144億ドルの未実現損失を計上。その一方で、マイケル・セイラーCEOは保有ビットコインの含み益が50億ドルに達したと主張し、株主へのビットコイン暴露増加を強調した。

同社の四半期報告書によると、第1四半期の純損失は127億7000万ドル(1株当たり38.25ドル)に達した。前年同期比で11.9%増の1億2430万ドルのソフトウェア収益を記録したものの、ビットコイン関連の損失が全体の損益を圧倒した形となった。

ビットコイン暴露増加を示す独自指標

セイラーCEOが重視する「BTC Yield」は、年初来で9.4%に達した。この指標は、希薄化調整後の1株当たりビットコイン保有量の変化を示すもので、同社が発行する証券による株式希薄化を上回る形でビットコイン暴露を増加させているかを測定する。同社によると、この9.4%の上昇は6万3410BTCに相当し、ドル換算では49億7000万ドルの含み益となる。

ビットコイン保有戦略は継続

第1四半期はビットコイン価格が急落する局面であったにもかかわらず、ストラテジーは積極的なビットコイン購入を継続した。5月3日時点の保有量は81万8334BTCに達し、年初来で22%増加。5月1日時点の時価総額は641億4000万ドル(1BTC=7万8374ドル換算)で、平均購入価格7万5537ドルを上回る含み益を確保している。

会計基準と経済実態の乖離

ストラテジーのビットコイン戦略は、会計上の損益と経済的実態の乖離を浮き彫りにしている。同社のソフトウェア事業の成長や配当金支払い能力、資金調達コストの変動は、この独自指標では反映されない。あくまで「1株当たりのビットコイン保有量が増加しているか」という一点に焦点を当てた指標である。

第1四半期の結果は、ストラテジーのビットコイン戦略が株主にとってプラスの経済効果をもたらしている一方で、GAAP(米国会計基準)上の損失は市場予想を大幅に上回る144億7000万ドルの営業損失となった。同社のビットコイン戦略を巡る議論は今後も続きそうだ。