米国のジョーンズ法(Jones Act)は1920年に制定された法律で、米国船籍の船舶による米国内港間の貨物輸送を義務付けている。これにより、米国船の不足から輸送コストが上昇する要因となっていた。
トランプ大統領は3月18日、イラン情勢の悪化に伴いジョーンズ法の60日間免除を発表。これにより、カリフォルニアからテキサス、フロリダ、アラスカまでの米国内港間で、外国船籍のタンカー40隻が原油輸送を可能にした。これにより実質的なタンカー保有数は70%増加し、コスト削減に寄与しているという。
ホワイトハウス提供のデータによると、免除措置によりこれまでに900万バレル以上の米国原油が外国船籍タンカーで輸送された。特にアラスカでは、免除されたジェット燃料が同州の月間平均消費量の約半分に相当するなど、顕著な効果が見られる。
保護主義 vs 経済効率
ジョーンズ法を巡っては、保護主義者と自由主義者の間で議論が続いている。
- 保護主義者の主張:外国船籍(中国を含む)に米国市場を奪われることで、米国の船員や造船業界に悪影響を及ぼす。保守系シンクタンク「ハドソン研究所」は「ジョーンズ法の免除は米国の海運・造船産業に数十億ドル規模の損害を与える」と分析している。
- 自由主義者の主張:ジョーンズ法は「時代遅れで非効率な法律」であり、米国の消費者がそのコストを負担している。リバタリアン系シンクタンク「カトー研究所」は「ジョーンズ法は保護の恩恵を受ける少数者と、そのコストを負担する多数者の間の不均衡を生んでいる」と指摘している。
トランプ大統領の側近は「大統領は現状に満足しており、イランの脅威が燃料価格の上昇を招く限り、必要な期間は免除を維持したい考えだ」と述べた。
ホワイトハウスのテイラー・ロジャース報道官は「免除の延長に関する最終決定はまだ行われていないが、政府はコスト上昇を抑制し、より多くの供給を迅速に米国の港に届けることに成功している」とコメントした。
出典:
Axios