バージニア州の選挙区改定を巡る争いが、同州最高裁の判決によって再び注目を集めている。共和党支持者が選挙区の現行図と提案図を並べた看板を掲げるテーブルの前で撮影された写真(Graeme Sloan/Bloomberg via Getty Images)

民主党に有利な選挙区改定を否定

バージニア州最高裁は2025年、同州議会が可決した新しい連邦議会選挙区図を4対3の判決で無効化した。この選挙区図は、2024年の中間選挙後に民主党に4議席を追加する目的で導入されたもので、テキサス州など共和党が支配する州の選挙区操作(ゲリマンダー)に対抗する狙いがあった。

憲法解釈の行き詰まり

判決の主文と反対意見の双方が、バージニア州憲法における「選挙(election)」の定義を巡って議論を展開したが、いずれの見解も説得力に欠けた。両陣営は辞書、歴史的資料、判例などを引用して自説を主張したが、いずれも「選挙」という言葉の解釈が文脈や時代によって変化することを示すだけに終わった。

「テキスト主義は今回の争点解決にほとんど寄与していない。双方が十分な根拠を示しており、いずれの解釈も plausibility(もっともらしさ)を持っていた」

専門家らは、判事らが憲法の条文が「実際に達成しようとしていた目的」を問うべきだったと指摘する。それがなければ、単なる言葉の解釈合戦に終始する判決となってしまった。

憲法改正手続きの根幹に疑問符

争点となったのは、バージニア州憲法の改正手続きに関する条項だ。憲法改正には、州議会が2度にわたって同一の改正案を可決し、その後に住民投票にかけることが必要とされている。2020年には、この手続きを経て反ゲリマンダー条項が憲法に追加された。

しかし今回、2025年に可決された新たな改正案は、この手続きを一時的に回避する内容だった。州議会は2025年10月に改正案を提案したが、その時点ですでに州全体で早期投票が始まっていた。これにより、約130万人の有権者が、改正案に対する賛否を示す機会を奪われたとの主張がなされた。

多数意見の主張

最高裁の多数意見は、早期投票が始まっていたために、改正案に反対する有権者が「議員選挙で反対派を支持する機会を失った」と指摘。これにより、改正案の提案が憲法の手続きに反すると結論づけた。

反対意見の反論

一方で反対意見は、早期投票が改正手続きの「選挙」に該当しないと主張。改正案の提案は議会の権限であり、有権者の投票行動とは直接関係ないとの立場を示した。また、改正案は憲法の反ゲリマンダー条項を一時的に停止するものであり、その目的は合憲だと主張した。

判決の影響と今後の展望

今回の判決は、選挙区改定を巡る州内の政治的対立にさらなる混乱を招く可能性がある。民主党は議席獲得を目指して選挙区改定を進めてきたが、共和党はこれに反発。最高裁の判断は、州の選挙制度の安定性に対する信頼を揺るがすものとなった。

専門家らは、今後バージニア州議会が憲法改正手続きの見直しに着手する可能性を指摘している。また、連邦レベルでの選挙区改定を巡る議論にも影響を与える可能性があるとの見方もある。

出典: Vox