マイクロストラテジー、535BTCを43億円で追加購入
米ナスダック上場のビットコイン投資企業、マイクロストラテジー(MSTR)は、4月29日に発表したForm 8-K書類で、新たに535ビットコイン(BTC)を約43億円相当で購入したことを明らかにした。平均購入単価は1BTCあたり8万340ドルだった。
同社のビットコイン保有量はこれで81万8,869BTCに達し、総取得コストは約618億6,000万ドル(平均単価7万5,540ドル)となった。また、2026年の年初来利回りは9.4%を記録している。
今回の購入資金は、STRC ATMプログラムから0.1億円、MSTR ATMオファリングから42.9億円を充当した。同社は今後もビットコインの積極的な買い増しを続ける方針だ。
セイラー会長、売却発言後に買い増しを発表
今回の発表は、同社のマイケル・セイラー会長が4月23日の決算発表で、ビットコイン保有の一部売却を検討していると発言した直後のことだった。これまで同社は「一方向の買い集め戦略」で知られており、この発言は市場に大きな衝撃を与えた。
セイラー会長はその後、ポッドキャストに出演し、「売却するビットコインに対し、10〜20倍の買い増しを行う」と説明。「年間を通して、保有ビットコインを増やし続けるべきだ」と語った。そして、今回の追加購入は、その方針が変わっていないことを示すものとなった。
税務最適化と資金需要が背景に
同社が売却に言及した背景には、米国会計基準(FASB)の公正価値会計ルールが2025年1月から導入されたことで、保有ビットコインの時価評価が四半期ごとに義務付けられた点が挙げられる。2026年の第1四半期には、ビットコイン価格が8万7,500ドルから6万7,700ドルへ23%下落し、1兆2,540億円の未実現損失を計上することとなった。
特に、43万4,000BTC以上が1BTCあたり8万ドル超で取得されたため、7,600億円の未実現損失が発生。一方で、2,200億円の繰延税金資産を計上できる見込みとなった。この繰延税金資産の活用が、売却発言の主な理由だと分析されている。
同社は過去にも同様の戦略を実施しており、2022年12月には704BTCを1BTCあたり1万6,776ドルで売却し、2日後に810BTCを買い戻すという「税務損失の繰り戻し(タックス・ロス・ハーベスティング)」を行っていた。
CEO「数学的判断が理念に優先」
フォン・レ CEOは決算発表で、「私は理念よりも数学を信じる」と述べ、「1株あたりのビットコイン保有量と株主価値を最大化するために、ビットコイン売却が株式発行よりも有利な場合は実行する」と明言した。
同社は82億ドルの転換社債と年間15億ドルの永久優先株式配当債務を抱えており、株式発行だけでは資金需要を常にカバーできない状況にある。このため、ビットコイン売却は資金調達手段の一つとして検討されている。
アナリスト「2026年の購入額は3兆円規模に」
JPモルガンのアナリストは先週のレポートで、「同社が現在のペースでビットコインを買い続ければ、2026年の年間購入額は約300億ドル(3兆円)に達する可能性がある」と指摘した。
同社のビットコイン保有戦略は、引き続き市場の注目を集めそうだ。