米国の自動車業界において、リコールの頻度はブランドごとに大きな差が存在する。中でも三菱自動車の米国リコール履歴は際立って少ないことが、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)のデータから明らかになった。
三菱自動車は1987年のNHTSAデビュー以来、米国で計150件のリコールを実施してきた。これは、2025年 aloneで153件のリコールを実施したフォードとほぼ同数に相当する。フォードは2025年に業界記録となるリコール件数を達成したが、三菱の記録的な少なさが浮き彫りとなった形だ。
三菱のリコール履歴:40年で150件
三菱自動車が米国で初めてリコールを届け出たのは1987年。同社がクライスラーから独立して米国市場で独自に事業を展開してから5年後のことだった。以来、40年にわたり150件のリコールが実施され、対象車両は約760万台に上る。これは、同時期に米国で販売を続けてきた他の主要ブランドと比較しても極めて少ない数字だ。
例えば、スズキは2012年に米国市場から撤退するまでに112件のリコールを実施したが、その多くは撤退前のもの。テスラは約10年間で90件のリコールを実施しており、年間平均リコール件数は複数の伝統的な高級ブランドを上回るペースとなっている。
三菱のリコールはなぜ少ないのか
三菱自動車のリコール履歴は、年によって大きなばらつきがある。2024年にはリコールがゼロだった一方で、2000年には100万台以上の車両が対象となるリコールが実施された。しかし、この数字は主に56万7,432台に及ぶ下部ボールジョイントブーツのリコールによるもので、これを除けば目立った動きではなかった。
三菱のリコールが比較的多かった期間は2014年から2018年にかけてで、年間平均8件のリコールが実施された。しかし、それ以降はリコール件数が激減。2022年以降はわずか8件、2020年以降でも16件にとどまっている。
直近のリコール内容
- 2026年と2025年:リフトゲートガススプリングに関するリコール
- 2025年と2023年:リアビューカメラの不具合に関するリコール
- 2022年8月:エンジンストールの原因となるソフトウェアエラーに関するリコール
2020年は三菱にとって最もリコールが多かった年で、5件のリコールが実施され、対象車両は36万1,000台以上に上った。
フォードとの圧倒的な差
フォードのリコール規模は三菱とは比較にならない。2025年 aloneで153件のリコールを実施し、これは単一の自動車メーカーによる年間リコール件数としては過去最高記録となった。フォードは米国で三菱の約22倍の車両を販売しているが、販売台数がリコール件数に直接影響するわけではない。むしろ、リコールの規模や頻度は製品の品質管理や設計上の課題を反映する指標といえる。
三菱のリコール履歴は、同社の製品が米国市場で比較的安定していることを示す一方で、業界全体の動向とは異なる特異な存在となっている。