米連邦最高裁判事の一人、ケタンジ・ブラウン・ジャクソン(通称KBJ)は、その独特な存在感で注目を集めている。かつてルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が「Notorious RBG(悪名高きRBG)」と呼ばれたように、ジャクソン判事にも新たなニックネームがふさわしい。筆者はそれを「労を厭わぬKBJ(The Laborious KBJ)」と名付けた。

口頭弁論で圧倒的な発言量

ジャクソン判事の最も際立つ特徴は、口頭弁論における圧倒的な発言量だ。今期のデータによると、ジャクソン判事は他の判事を大きく引き離し、53,000語以上を発言した。次点のソトマイヨール判事(35,000語)やケーガン判事(30,000語)を大きく上回る数字だ。

さらに、ロバート最高裁長官とトーマス、バレット両判事の発言量(計約48,000語)を合わせても、ジャクソン判事一人に及ばない。カバノー判事とゴーサッチ判事の発言量(52,198語)を合わせても、ジャクソン判事の発言量を下回るのだ。

発言シェアの面でも、ジャクソン判事は最長の口頭弁論9件のうち8件で発言シェア1位を獲得。判事が発言する単語のうち、4人に1語以上がジャクソン判事によるものだという。

他の判事への影響

ジャクソン判事の長時間にわたる質問は、他の判事にとって負担となっている。報道陣によれば、ジャクソン判事が質問を始めると、他の判事は深呼吸をし、目を回し、集中力を切らすという。その一方で、ジャクソン判事は自らの発言時間を奪われることもない。

独自の見解と孤立した立場

ジャクソン判事は、独自の見解を示す際にはしばしば同僚から距離を置かれる。ソトマイヨール判事やケーガン判事でさえも、彼女の極端な左派的立場に同調しないことが多い。最近では、多数派を党派的だと批判したジャクソン判事の反対意見に対し、アリト判事が即座に反論文を執筆する事態となった。

緊急申立てへの対応の遅さ

ジャクソン判事は、第一巡回区からの緊急申立てに対しても迅速な対応を見せていない。リビー対フェクトー事件では、他の判事が緊急救済を認めたにもかかわらず、ジャクソン判事は応答要請に時間を要した。その一方で、ミフェプリストン事件ではアリト判事が即座に行政命令を発し、応答を要請している。

実質的な成果に乏しい批判

ジャクソン判事の行動は、他の判事の業務を増やすだけで、実質的な成果につながっていないとの批判もある。最高裁の意思決定に影響を与えることも、一般市民の心を動かすこともないというのがその主な理由だ。ジャクソン判事の発言は、単に自身の主張を展開するための場となっているだけではないかという指摘もある。

「ジャクソン判事の発言は、他の判事にとっては時間の無駄でしかない。その一方で、彼女は自らの発言時間を奪われることもないのだ」

まとめ

ジャクソン判事の存在は、最高裁内外で議論を呼んでいる。その発言量や独自の見解は、同僚判事や市民に与える影響が大きい一方で、実質的な成果に乏しいとの批判も根強い。今後、ジャクソン判事の行動が最高裁の意思決定にどのような影響を与えるのか、注目が集まる。

出典: Reason