ポルシェは、ガソリンエンジン搭載の「Macan」の在庫を大量に確保している。同社は今夏、内燃機関(ICE)モデルの生産を終了するが、後継モデルの投入は2028年までずれ込む見通しだ。
2024年に発売された電気自動車(EV)「Macan EV」は順調な滑り出しを見せているが、ICEモデルの人気は依然として根強い。2026年の第1四半期には、米国でICEモデルが1万130台売れ、EVモデルの8,079台を上回った。ICEモデルのベースは2013年にデビューした古いプラットフォームだが、2019年と2021年に行われたフェイスリフトにより、最新の外観を保っている。
欧州市場からの退場が追い込む決断
ICEモデルの人気は高い一方で、ポルシェは新たなサイバーセキュリティ規制に対応できず、欧州連合(EU)市場から2024年春に事実上撤退した。古いプラットフォームを再設計して規制をクリアするコストは見合わないと判断された。
ドイツの自動車専門誌「AMS」によると、ドイツ・ライプツィヒ工場では、通常の受注生産方式ではなく、フル稼働でMacanのICEモデルを生産しているという。これは、北米などの需要に応えるための在庫確保策で、ガソリンモデルの販売は2027年まで続く可能性がある。
今夏にライプツィヒ工場での生産が終了すると、カスタマイズ用のオンラインコンフィギュレーターも停止される。新規受注は受け付けられなくなるが、在庫が充実していれば、ショールームの品揃えは維持される見込みだ。
電気自動車一本化の方針転換
当初はICEモデルをEVモデルで完全に置き換える計画だったが、市場の反応を受けてポルシェは電動化戦略を見直した。次世代Macanは、EVモデルと並行して販売される予定で、Audi Q5が採用する「Premium Platform Combustion(PPC)」をベースとしたガソリン・ハイブリッドモデルとなる。しかし、この新モデルの投入は2028年以降にずれ込む見通しで、その間の需要をどう満たすかが課題となっている。