米国の製薬業界を代表する大手団体「米国研究製薬工業協会(PhRMA)」は、連邦政府の医薬品割引プログラム「340B Drug Pricing Program」を巡り、7桁規模の新たな広告キャンペーンを開始すると発表した。同キャンペーンは水曜日から放送が予定されており、340Bプログラムの運用実態に焦点を当てた内容となっている。

340Bプログラムは、メディケイド対象患者向けに医薬品を大幅に割引価格で提供することを製薬企業に義務付ける連邦プログラムだ。しかし、PhRMAの広告では、架空の非営利病院の管理者がプログラムを悪用し、本来患者に充てられるべき利益を病院側が横取りし、他の経費に充てる様子が描かれている。同団体は、このような不正行為がプログラムの本来の目的を逸脱していると主張している。

FDAの承認拒否率急増、業界に動揺

一方、米食品医薬品局(FDA)による細胞・遺伝子治療の承認拒否率が、2020年から2024年にかけて18%であったのに対し、その後の15か月間で38%に急上昇したことが明らかになった。再生医療同盟(Alliance for Regenerative Medicine)のデータに基づく分析によると、この数値は、昨週イタリア・ローマで開催された「Meeting on the Med」会議で懸念が示された。

承認拒否率の上昇は、細胞・遺伝子治療分野の規制環境の不安定さを浮き彫りにしている。かつては規制当局との協力関係が安定していた業界も、現在では方針の転換や混乱に直面している。特に、同分野を担当していた部門の責任者であったヴィナイ・プラサド氏が最近更迭されたことで、業界内にはさらなる不安が広がっている。

また、FDAの多くの部門で人員不足が続いていることも、会議で指摘された問題の一つだ。規制当局の体制不足が、治療法の開発・承認プロセスに悪影響を及ぼす可能性が懸念されている。

出典: STAT News