米ニューヨーク州の国際貿易裁判所は12日、ドナルド・トランプ前大統領が2024年2月に導入した10%の包括関税が違法であるとの判決を下した。政府は控訴する方針だが、関税は当面維持される見通しだ。

判決の要旨

裁判所は、トランプ前大統領が1974年の通商法122条に基づき発動した関税について、大統領に「国際収支赤字」の認定権限を広く認めることは、議会の権限を侵害すると指摘。関税の恒久的な発動を可能にする解釈は憲法違反にあたると結論づけた。

背景と経緯

トランプ前大統領は、2024年2月に最高裁が主要な関税政策の大部分を違法と判断した直後、通商法122条の「一時的関税」条項を初めて活用し、10%の包括関税を導入した。同条項は、最大150日間にわたり15%までの関税を課すことを認めているが、今回の関税は7月24日に期限を迎える予定だった。

原告となったのはスパイス会社と玩具小売業者で、いずれもリバティ・ジャスティス・センターが代理人を務めた。同団体は昨年の最高裁判決でも関税政策の違法性を争い、勝利を収めている。

州検事総長の請求棄却

裁判所は、24州の検事総長が提起した訴訟のうち23件について、関税による被害が間接的すぎるとの理由で原告適格を否定した。唯一認められた州も、関税の影響が直接的でないとして棄却された。

専門家の見解

法律事務所ウィリー・レインの国際貿易部門共同代表、ティム・ブライトビル氏は「政府は控訴するだろう。すでに代替策として、301条に基づく調査が進行中だ」と述べた。

ホワイトハウスの報道官はコメント要請に対し、即時の回答を控えた。

今後の展望

関税は7月に期限を迎える予定だが、政府はすでに代替となる関税政策の導入を検討しており、司法判断を待たずに実施される可能性が高い。トランプ前大統領の経済政策の中核である関税だが、司法はその法的根拠に再三異議を唱えている。

出典: Axios