米コロラド州地方裁判所(D. Colo.)の王ニナ判事は12日、Hessert v. Street Dog Coalition事件において、原告が求めた「AI使用に関する裁判所規則の憲法違反」の申し立てを却下する判決を下した。

原告は、裁判所が定めたAI使用申告義務の規則が、表現の自由(憲法修正第1条)や適正手続、平等保護の権利を侵害し、弁護士の職務権限を侵害すると主張していた。しかし、王判事はこれらの主張を「根拠がない」と退け、原告の申し立てを棄却した。

AI使用申告義務の内容

当該規則では、訴状の提出時に、以下のAI使用に関する申告が義務付けられている。

  • 訴状作成にAI(ChatGPT、Harvey.AI、Google Geminiなど)を使用したか否かの申告
  • AIが作成した文章を人間が確認した旨の宣誓
  • 引用された法的根拠が実在するものであることの確認

王判事は、この規則について「AI使用の有無を開示する義務は、表現の自由を侵害しない」と明言した。

裁判所規則と表現の自由の関係

判決文では、裁判所が定める規則が表現の自由に及ぼす影響についても言及された。王判事は、訴状や口頭弁論における発言は、一般の表現の自由とは異なり、裁判所の秩序維持のために制限されることが多いと指摘。例えば、証拠の不適切な提示や相手方への侮辱的発言は禁止されているが、これらは通常、表現の自由の審査対象とはならないと述べた。

また、仮に「全ての弁護士に対し、訴状に忠誠の宣誓を記載させる」といった極端な規則であっても、必ずしも違憲とは言えないとした上で、AI使用の申告義務は「合理的な制限の範囲内」と結論付けた。

その他の判断事項

判決では、別の争点についても言及された。原告は、裁判所が個人責任のリスクを警告したことに対し、その撤回を求めたが、王判事はこれを却下。原告が個人責任の追及を慎重に検討すべきとの助言は、適切なものであり、撤回の必要はないと判断した。

出典: Reason