中国のEVメーカーLeapmotor(リープモーター)が欧州市場に投入する新型電気自動車(EV)「B03X」が、実売価格2万5000ユーロ(約29,400ドル)で発売される見込みだ。同車は中国本国では「A10」として1万ドル(約140万円)から販売されており、欧州でも大幅な価格競争力を発揮する見通しだ。

Leapmotorは、欧州での事業をステランティスとの合弁会社「Leapmotor International」を通じて展開。既に欧州で「B05」ハッチバックを発売しており、2026年秋に欧州デビューを予定するB03Xは、さらに手頃なサブコンパクトSUVとして注目を集める。同車の最大の魅力は価格にある。ドイツ紙Handelsblattによると、B03Xの欧州における発売価格は約2万5000ユーロ(約29,400ドル)を見込んでおり、欧州ブランドのライバル車の多くが3万ユーロ(約35,300ドル)前後で販売される中、大きな価格優位性を確保する。

参考までに、VWの新型「ID.Polo」は2万4,995ユーロ(約29,400ドル)から、高性能版の「ID.Cross」は2万8,000ユーロ(約32,900ドル)から発売される。その他の競合車種としては、 Škoda「Epiq」、Renault「4 E-Tech」、ステランティス傘下のCitroën「e-C3 Aircross」やOpel「Frontera Electric」などが挙げられる。

中国市場での価格は驚異の1万ドル台

B03Xは2025年11月に初公開され、中国では「A10」として既に販売されている。中国市場における価格は6万5,800元〜8万6,800元(約9,600〜1万2,700ドル)と、欧州と比較しても圧倒的なコストパフォーマンスを誇る。バッテリー容量は40kWhと53kWhの2種類、出力は94ps(70kW)と121ps(90kW)の2種類を用意。全グレードが前輪駆動(FWD)仕様となっている。

WLTP換算の航続距離は505km(CLTC基準)と発表されており、30%から80%までの充電はわずか16分で完了する。デザイン面では全長4,270mmのボディに柔らかな曲線を採用し、内装は広い室内空間と実用性に優れている。後部座席はホンダ「Jazz」のような跳ね上げ式、荷室容量は602リットルで、床下には洗える収納スペースを備える(フォード「Puma」に似た機能)。この他、パノラマサンルーフ、アンビエントライティング、14.6インチのインフォテインメントディスプレイ(Qualcomm Snapdragon 8295チップ搭載)などの先進装備を搭載する。

中国仕様の高級グレードではLiDARベースの先進運転支援システム(ADAS)が搭載されるが、欧州仕様への採用は未定だ。生産面では、A10は中国・杭州工場で製造される一方、B03Xの欧州仕様はスペイン工場で生産される予定。これにより、EUの中国製品に対する関税を回避する狙いがある。

欧州市場における戦略的意義

ステランティスは、Leapmotorとの提携を通じて欧州市場への低価格EV投入を加速させている。B03Xは、VWや他の欧州メーカーとの価格競争で優位性を確保しつつ、中国製EVの欧州進出における新たなモデルケースとなる可能性がある。2026年の発売に向け、同社は欧州顧客のニーズに応えるための準備を進めている。

出典: CarScoops