米国時間9月10日、ペルー出身の先住民女優で活動家のQ’orianka Kilcher氏(36歳)が、監督のジェームズ・キャメロン氏とウォルト・ディズニー社を相手取り、自身の顔を無断転載して「アバター」シリーズのヒロイン・ネイティリ像のモデルにしたとして、提訴した。

提訴によると、Kilcher氏は当時14歳で、2006年に公開された映画「ニュー・ワールド」でポカホンタス役を演じた際の写真から、キャメロン監督が彼女の「顔の特徴」を抽出し、デザインチームに「ネイティリ像の基礎」として使用させたとされる。

Kilcher氏の代理人は、この行為を「ハリウッドで最も影響力のある映画監督の1人が、先住民の少女の生体認証的アイデンティティと文化的遺産を、クレジットも報酬もなしに搾取した」と非難。同氏は、自身の同意なく顔が使用されたことや、2009年に公開された「アバター」の大ヒット後、2010年にキャメロン監督からネイティリのスケッチと「あなたの美しさがネイティリのインスピレーションだった」というメモを受け取ったが、実際には起用されなかったと主張している。

Kilcher氏によると、キャメロン監督は昨年のインタビューで、ネイティリのモデルが自身の写真であることを明かしたという。提訴書では、この行為を「窃盗」と表現し、ネイティリ像の制作過程を「実在する10代の少女の顔の構造をそのまま大作映画のキャラクターに移植した」と表現している。

「アバター」シリーズは、これまでに世界興行収入約70億ドルを記録し、歴代最高興行収入を記録した「タイタニック」の監督であるキャメロン氏の代表作となっている。一方で、先住民の土地や資源の搾取をテーマとした同シリーズだが、Kilcher氏は「表向きは先住民の闘いに共感を示しながら、裏で実在の先住民の若者を搾取していた」と批判している。

提訴の主な主張

  • 当時14歳だったKilcher氏の写真を無断で使用し、顔の特徴を抽出
  • 同意や報酬なしに、ネイティリ像の基礎として使用
  • 2010年にキャメロン監督からスケッチとメモを受領したが、実際の起用はなかった
  • 昨年のインタビューで、キャメロン監督がKilcher氏の写真をネイティリのモデルと明言
  • 行為を「窃盗」と位置付け、深刻な肖像権侵害と主張

ディズニーとキャメロン監督の対応は未定

Kilcher氏の代理人は、同氏の顔が無断で使用されたことで受けた精神的・経済的損害について、損害賠償を求めている。現在のところ、ディズニーとキャメロン監督からの公式なコメントは発表されていない。

出典: Futurism