米国自動車在庫の最新動向:クライスラーは在庫過多、トヨタ・レクサスは在庫不足
米国自動車市場における在庫状況が、ブランドごとに大きな差を見せている。クライスラーは平均在庫日数の2倍以上となる158日超の在庫を抱えているのに対し、トヨタとレクサスは36日と最も少ない在庫日数を記録した。これは、需要の高さと供給のバランスの違いを如実に表している。
コックス・オートモーティブのデータによると、2025年3月の米国全体の新車在庫日数は平均79日となり、前月の96日から大幅に減少した。在庫台数は289万台で、前年同月比6.1%増となったが、これは2024年3月に一時的に販売が急増し在庫が減少した影響もある。
在庫過多のブランド:クライスラーを筆頭に Stellantis が苦戦
クライスラーの在庫日数は158日を超え、業界平均の2倍以上に達している。同社は現在、パシフィカとヴォイヤジャー(パシフィカの簡易版)の2車種のみを展開しており、いずれも10年以上にわたって生産が続いている。最近行われたフェイスリフトにより、新型モデルへの移行は当面見込まれていない。
クライスラーと同様に、Stellantis傘下の他ブランドも在庫過多に悩まされている。ダッジは140日、ラムは138日、ジープは127日の在庫日数を記録し、いずれも業界平均を大幅に上回っている。Stellantis以外では、ミニ(123日)、三菱(119日)、ビュイック(114日)、フォルクスワーゲン(109日)などが高い在庫日数を記録している。
在庫不足のブランド:トヨタ・レクサスがリード
一方で、在庫日数が業界平均を下回るブランドも存在する。ポルシェ(78日)、スバル(77日)、キャデラック(76日)、キア(75日)、シボレーとインフィニティ(67日)、ホンダ(52日)、アウディ(47日)がこれに該当。特にトヨタとレクサスは36日と最も少ない在庫日数を記録し、需要の高さが際立っている。
新車販売の回復と価格動向
3月の新車販売台数は113万台と、前月の83万1,191台から大幅に回復した。しかし、平均販売価格は48,667ドルと、わずかに下落した。販売促進のため、ディーラーはインセンティブの拡大に注力しており、1台あたりの平均インセンティブ額は3,541ドル(平均取引価格の7.2%)に達している。
月別在庫動向(2024年3月〜2025年3月)
| 月日 | 在庫台数 | 在庫日数 | 販売台数 | 平均販売価格(ドル) |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月25日 | 2,725,005 | 71 | 1,187,840 | 47,874 |
| 2025年4月25日 | 2,641,748 | 68 | 1,167,187 | 48,406 |
| 2025年5月25日 | 2,560,104 | 74 | 1,078,445 | 48,739 |
| 2025年6月25日 | 2,816,717 | 84 | 1,012,492 | 48,673 |
| 2025年7月25日 | 2,707,559 | 77 | 1,094,241 | 48,496 |
| 2025年8月25日 | 2,730,357 | 75 | 1,133,566 | 48,566 |
| 2025年9月25日 | 2,855,668 | 87 | 990,819 | 49,057 |
| 2025年10月25日 | 3,005,433 | 90 | 1,039,591 | 49,193 |
| 2025年11月25日 | 3,053,128 | 90 | 1,017,139 | 49,454 |
| 2025年12月25日 | 2,967,543 | 86 | 1,076,180 | 50,351 |
| 2026年1月26日 | 2,741,173 | 94 | 908,330 | 49,594 |
| 2026年2月26日 | 2,854,721 | 96 | 831,191 | 49,170 |
| 2026年3月26日 | 2,890,423 | 79 | 1,130,991 | 48,667 |
データ出典:コックス・オートモーティブ
「在庫日数の差は、各ブランドの需要予測と供給戦略の違いを反映している。特にトヨタとレクサスは、需要に応じた柔軟な生産体制を構築していることが伺える」
—— 自動車アナリストのコメント